開発された街並みに残る往年の「カギ道」

東京のベッドタウン、神奈川県の川崎市。以前この近辺に管理人も住んでいたことがありますが、首都圏でも人気の高い住宅街でもあります。新宿からなら、渋谷へ抜け東急東横線で武蔵小杉駅へ出て、あとは1キロ程度ですので徒歩で散策されてみてはいかがでしょうか？（JR南武線の武蔵中原駅からも同程度の距離で到着します。）

小杉御殿は、川崎市中原区の西明寺というお寺前に石碑も残りますが、徳川将軍家が鷹狩などの際に、この近辺での宿泊施設にするために作られた陣屋であったそうです。徳川二代将軍の秀忠が、家康を迎えたこともあるそうです。

ただ、現在は遺構と呼べる遺構は残っていません。ただ西明寺の目前の道路がクランク状に折れています。これは当時の「カギ道」の名残だそうで、いざという時に敵を待ち伏せにしたりなど、街自体が防衛施設として作られていた名残をかすかに感じ取ることができます。

写真ギャラリーで掲載した写真の多くは、先の西明寺のもの。古くは鎌倉幕府の執権・北条時頼が中興開山したとも伝えられ、門には北条家の家紋「三つ鱗」が施されています。

徳川幕府が成立したあとは、小杉御殿と地理的なつながりも深くなり、徳川将軍家ゆかりの寺院となっていったそうです。

歴史的な遺構や価値の高い建物はあまり期待できないかもしれませんが、この西明寺や、また近くには古くは砦であったと言われる泉沢寺など首都のベッドタウンに眠る「歴史街道めぐり」として散策されてみてはいかがでしょうか。