鎌倉北条氏の流れを汲む浮気氏の居城跡
まず城の呼び名ですが「うわき」ではなく「ふけ」と読みます。JR守山駅周辺の城砦群の中では最も明瞭な遺構を残す城で、現在は、駅東口から暫く歩いた住吉神社が建っています。
浮気城は鎌倉の北条氏の流れを汲み、北条時綱の時に浮気領を得て、どの代かは明確でないですが浮気姓を名乗るようになったと考えられます。浮気城を築城したのは時房なる人物とされます。
南北朝時代には後醍醐天皇に仕えるなど古くから続く一族であったようで、基本的には佐々木六角氏に従ったようですが、応仁の乱(1467~77)では浮気貞綱が佐々木政尭と三上山麓で戦ったように、一時期は対立した時期もあったと日本城郭大系では説明されています。
佐々木六角氏が滅ぶと、織田氏、豊臣氏に従ったとされ、元亀元(1570)年に信長が本願寺勢力と対立すると、勝部城、守山城と共に信長側の拠点のひとつとして奉行が置かれたと「金森日記抜」に記されているとのことです。
現在神社の西側から北側にかけて土塁を見ることができます。土塁内には立ち入ってよいのか不明だったため、外から撮影したのみですが、想像以上の規模です。空濠に関してもそれらしき地形はわかりますが、ほぼ風化してしまっているように見えました。
ただ残念なのが、城跡を示す石碑や解説板の類がなかったこと。由緒書にも浮気城のことは触れられていなかったと記憶しています。この守山周辺は開発が進み、特に駅西側は近代都市化しており、東側も住宅地などに変わっており往時の地形も改変されてしまっていると思いますが、現在の地形からは中世武士の城館に相応しい場所とは思いづらいのですが、さらに北東側に同じ佐々木六角氏の勢力が支配したとされる立入城へ向かうと非常に水路が多いことに気づき、平地でも往時は水の豊富な地形で、それらが防衛面で役に立っていたのかと想像しています。
余談ですが駅からこの城に向かう途中にも大きなスーパーなどもあり、トイレ休憩などにも困らない場所で、街中の平城のため時期・天候に左右されずに訪問することが可能です。周辺の城砦群の中ではやはり、最も規模の大きな遺構も確認できることから、一番オススメになる城跡です。
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守山駅周辺は東口、西口ともにコンパクトに整備された街で飲食店にも困りませんが、関西で横浜家系ラーメンが食べられる「らーめん秀吉家」さん。管理人は東京生活も長いので東京で家系は何度か食べていますが、その中でも好みという点で言えばかなり上位に入る味です。とんこつ醤油で関西ラーメンにも近い味なので、食べたことのない関西の方はぜひお試しください!
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所在地
滋賀県守山市浮気町
新宿駅からのルート(※料金や所要時間は目安です。)
【JR新幹線】新幹線のぞみ 品川駅~京都駅(乗換え) 料金 片道13,520円 所要時間 約2時間15分ほど
【JR在来線】東海道本線 京都駅~守山駅(新快速停車駅) 料金 片道480円 所要時間 約25分ほど
【入館料】無料