篤姫も一時期暮らした江戸の薩摩藩上屋敷跡
幕末、薩摩の名君として著名な、島津斉彬が生まれた場所。そして後年、その斉彬の養女となり、その後、徳川13代将軍となった家定に輿入り、篤姫として名高い天璋院(てんしょういん)も、生まれ故郷の薩摩を出て、輿入り前に暮らした場所。それがこの田町にあった薩摩藩上屋敷です。
今のNECビルの北側道路沿いに石碑があり、隣接する三井住友信託銀行芝ビル敷地に「さつまの道」という解説板が設置されています。こちらによると、屋敷の中心部があったのは住友ビル側だそう。
慶応4(1868)年に西郷隆盛と勝海舟の「江戸城無血開城」についての会談が行われた場所も、この上屋敷のすぐ近くにある蔵屋敷でした。
安政2(1855)年に安政の大地震で、この上屋敷も大きな損害があったため、先の篤姫や斉彬は、渋谷にあった(青山学院高校の近く)下屋敷へ移ります。またさらに後年、大政奉還があったあと(1867年)、その同年、戊辰戦争へのきっかけともつながる、庄内藩による薩摩藩邸の攻撃が起こり、それにより上屋敷は焼失したとされています。
※ちなみにこの一連の事件については、隆盛らが旧幕府を挑発するため、江戸で放火・強盗を指示したとも言われ、それが原因で江戸城西の丸が消失したとされます。
幕末史において重要な事件や、人物が多く関与した薩摩藩の江戸上屋敷。
現在は遺構は残されていませんが、交通アクセスも便利な場所ですし、天気の良い日に往時に想いを馳せて、散策されてみてはいかがでしょうか。
所在地
東京都港区芝3
新宿駅からのルート(※料金や所要時間は目安です。)
【JR線】山手線 新宿駅~田町駅 料金 片道200円 所要時間 約25分ほど
【入館料】無料
【入館料】無料