住宅地に眠る平山城は、上杉謙信をも退ける

京成臼井駅から徒歩20分弱ほどの場所。実は後から知ったことですが、近くの臼井小学校はミスタージャイアンツ長嶋茂雄氏の母校だそうです。ひょっとしたら長嶋監督も子供の頃に遊んだ場所かもしれませんが臼井城跡は多少入り組んだ場所にあるため分かりづらいかも知れませんが、一歩城跡に踏み込めば高い土塁の跡や、空堀などの遺構がよく残されています。

歴史をおさらいしてみると、千葉氏一族だった臼井常康氏により築城されたそうで、数々の戦いの舞台にもなったようです。

1479年には攻め手であった太田道灌氏の甥・太田資忠氏がこの地で戦死し、臼井城にお墓が残ります（残念ながら場所がわからなかったのですが・・・）。また時が流れ、1561年には上杉謙信の小田原攻めにあたり、正木信茂氏が攻め落城。時の城主臼井久胤氏は脱出したそうですが、臼井家は滅亡となったようです。

1566年には再度上杉謙信と里見義弘が、千葉胤富らが立て籠ったこの城を攻撃。またも落城寸前までいったそうですが、臼井方の活躍で結果、謙信は敗北を喫したそうです。その後は、徳川家臣の酒井忠次の長男・家次などが城主をつとめたようですが、その家次が高崎へ異動となり、この城も廃城となったのがこの城の歴史だそうです。

今残されている城跡はそんなに大きな城だという印象はありませんが、高低差がかなりあり、現役時の要塞ぶりは十分に感じることができます。また本丸からは印旛沼がはっきりと見え、住宅地の中の城跡ですが眺めもすばらしい場所です。

隣駅の京成佐倉駅には日本100名城の佐倉城もありますが、佐倉へ城巡りの際は、この臼井城もぜひ訪問をオススメしたい城跡です。