名門・桓武平氏の千葉一族の本拠地
京成大佐倉駅の東側を路線に沿ってしばらく歩くと、田園風景の中にひときわ大きな城山が見えてきます(2012年2月現在、土塁に大きな「本佐倉城」の看板が立っているので分かりやすいです)。
桓武平氏の流れをくむとされる千葉一族は鎌倉時代から続く名族。千葉市内の千葉(亥鼻)城を本拠にしていましたが、室町時代の享徳の乱などで巨大化した千葉一族は分裂、嫡流は事実上滅亡し千葉氏の筆頭家老だった原氏側と、室町幕府の意向を受けた太田道灌らが千葉嫡流の遺児を押し立て一時、勢力を盛り返したとのこと。
しかし、当初原氏が擁立した馬加氏は滅ぼされるも、新たに古河公方と原氏は手を組み千葉輔胤を擁立、結果この輔胤が下総を治め、居城もこの本佐倉城に移したとされます。
戦国時代には後北条氏の支援を受けながらも、戦国大名千葉氏として存続するも1590年の小田原の役の後、千葉氏は戦国大名としては滅亡。徳川幕府の初期には土井利勝らが佐倉藩の城として整備したそうですが、佐倉城を本拠とするようになりこの城は廃城となったというのが歴史のようです。
さて、現在の本佐倉城は駅から順路に沿って向かうと「東光寺ビョウ」と呼ばれる郭が現れ、さらに整備された農道を進むと、入口がありそこを登っていくと城内中心部へ向かい、千葉氏の家紋が描かれた盾が並ぶ壮大な景色を目にすることができます。
城内もほどよく整備されており、舗装された道を城内中心部へ向かうと「城山」と呼ばれる場所に向かう大きな堀切が出現します。その堀底を進むと左手に「城山(本丸)」と右手に「奥の山(二の丸)」への道があります。ただし、こちらは整備されているとは言い難い場所で、城に来る最中にも「マムシ注意」の看板があったことから夏場に訪問される方は十分な注意が必要かもしれません。
建築物は残っていませんが、ここは個人的な感想では、特に土塁のスケールが大きな城。お城ファンの方であれば一度は訪問しておく価値のある場所。訪問時は他の周辺の城砦群も回りたく、この城の全てが訪問しきれなかったほどです。また、今触れたように、周辺は日本100名城の佐倉城はじめ見どころのある城跡が多いエリアなので、他地方からの遠征もしがいのある場所。オススメです!
近くのオススメすぽっと
このエリア一体は中世城砦跡が多い場所ですが、京成線で隣駅の京成佐倉駅には千葉で唯一の日本100名城の佐倉城があります。徳川幕府時代には土井利勝らが城主をつとめ、建築物はほぼ残らないも、明瞭な遺構がこちらも楽しめます。
所在地
千葉県印旛郡酒々井町本佐倉
新宿駅からのルート(※料金や所要時間は目安です。)
【京成本線】京成八幡駅~大佐倉駅(成田行・特急停車駅)料金 片道470円 所要時間 約35分ほど
【入館料】0円