田丸伊勢丸の居城とのみ伝わる城跡

近鉄・JR桑名駅の西側の高台にある民家奥の裏山が尾畑（おばた）城跡と伝わります。現在は私有地となっているようです。

日本城郭大系でも紹介されている城跡ですがその歴史はあまり詳しくは分かっていないようで、「久波奈名所図会」には田丸伊勢丸の居城と記されているのみだそうです。築城時期、廃城時期は不明のようです。

同じく城郭大系には30m×45mの方形の土塁をめぐらした郭と、東側には空堀が残ると記されていますが、現在はブロック塀に囲われ中に入ることはできないようです。

すぐ近くには白山ヶ鼻（はくざんがび）城もあるので、こちらは近藤右京進という武将が統治し、長島一向一揆の際に織田信長に落城させられたそうなので、尾畑城もひょっとすると同じく一向宗側の城塞で、同じ運命を辿ったのかもしれません。

ただ残念なことに冒頭でも触れたとおり私有地のため自由に立入ることはできません。一箇所民家の横に細い道がついていましたが、訪問時は雨も降っていましたので、それ以上確認することはやめておきました。どちらの方の私有地かもわかりませんので許可も頂けないですから・・・

また石碑や解説板も道路上などには設置されていないため、まったく城跡に訪問した気分になることができませんでした。

桑名駅から向かうと明らかな高台になっているため、戦国時代には軍事的要所になっていたことは明らかです。周辺は宅地開発が進んでいますので、基本的に季節・天候には左右されずに訪問することは可能です。

ただし、文中で説明させて頂いたとおり城域には入ることは出来ませんので、桑名駅東側の桑名城に訪問される際に合せて周辺の城跡散策として訪問される程度で十分だと思います。