日本の城巡り「MARO参上」

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伊勢上野城(三重県)

浅井三姉妹ゆかりの城としても有名な伊勢の山城跡

 

三重県に「上野城」といえば伊賀上野城も存在していますので、便宜上「伊勢上野城」として紹介します。

津市中心部より名古屋方面に向かった豊津上野駅が最寄駅となります。
現在は公園化され、本丸には近代的な展望台が設置され、その2階には簡易な資料館となっています。どこか神奈川県の枡形山城を思い出させる雰囲気です。

さて、そんな伊勢上野城は元亀元(1570)年に織田信長の弟・信包(のぶかね)が津城の仮城として分部(わけべ)左京亮光嘉が普請奉行を務め築城したとされます。

天正2(1574)年には浅井長政に嫁いでいたお市の方と、「浅井三姉妹」として有名な「茶々、初、江」がこの城に入城。天正10(1582)年に「本能寺の変」で信長が戦死するまで、伊勢上野城、津城を中心に伊勢で暮らしていたそうです。

2011年の大河ドラマ「江」の影響でしょうが「江の城」として売り出しているようです。

天正8(1580)年に津城が完成すると、信包はそちらに移動。分部氏が城代を務め、豊臣秀吉政権下では正式に1万石を与えられ、上野城は分部氏の城として独立。
徳川幕府時代に入っても当初は、伊勢上野城は分部氏が統治しましたが、元和5(1619)年に近江(滋賀県)の大溝藩に移封され、伊勢上野城も廃城となったそうです。

伊勢街道の隣を走る旧伊勢街道を歩いていると、住宅街に「上野城跡」の標識が設置されていますので、それに従い石の階段を登った辺りが三の丸になるそうです。ここには見事な堀跡を確認することができます。

そこから明らかに高台になっている位置が二の丸。児童公園のようになっており、三の丸よるも開発された雰囲気。そしてさらにその位置よりも高台になっているのが本丸とされます。

冒頭で触れた展望台には伊勢上野城の模型が設置されていますので、それと現在の道などを照らし合わせていくととても分かりやすいです。

眼下には伊勢湾が広がり、伊勢街道と海洋交通を押さえる要所であったことがよく分かります。
整備された山城のため、お手軽感が漂いますが、各主要郭や、土塁、堀などの遺構も楽しめ、よい意味で期待を裏切られる城跡でした。

円光寺跡方面は時間の関係で回ることができませんでしたが、想像以上に見所も多い城跡ですので、夏場を避けて天気のよい日にじっくりと散策されることをオススメしたい城跡です。

所在地

三重県津市河芸町上野

新宿駅からのルート(※料金や所要時間は目安です。)

【JR在来線】JR山手線 新宿駅~品川駅(乗換え) 料金 片道190円 所要時間 約20分ほど
【JR新幹線】新幹線のぞみ 品川駅~名古屋駅 料金 片道10,580円 所要時間 約1時間37分ほど
【近鉄線】名古屋線 近鉄名古屋駅~白子駅(急行停車駅・乗換え)~豊津上野駅 料金 片道880円 所要時間 約1時間2分ほど
【入館料】0円

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