開花城の異名を持った高城氏3代の巨城跡
千葉県松戸市は東京のベッドタウンですが、多くの中世城郭が残る街。JR北小金駅付近も多くの城跡があり、その中でも代表格的な存在がこの小金(こがね)城です。
北小金駅の西北側にある大谷口歴史公園付近がその城跡で、畝自体、目視では確認しずらいのですが、畝堀などの遺構を楽しむことができます。
日本城郭大系によると、高城氏の家老だった安蒜(あびる)氏の子孫が所持されるという「八木原家文書」には、小金城について詳細に記述されているそうで、高城胤吉が、同じ北小金駅周辺にあった根木内城では手狭になったため、新たに小金城を7年もの歳月をかけて築城し、天文6(1537)年に本拠を先の根木内城から移したとあります。
小金城は天正18(1590)年の豊臣秀吉による「小田原征伐」で浅野長吉(長政)に攻撃され落城されてしまうまで、別名を「開花城」とも呼び、高城氏3代57年に渡って栄えたそうです。
小金城に初めて訪問したのは東京在住時の2012年1月。現地について初めてデジカメの充電が切れていることに気付き、当時所持していた画素数の小さなガラケーのカメラで写真を撮影せざるを得なく、そのまま仕事の都合で関西に戻ってしまったため、それが心残りでした。
その後も東京へ行くたび、小金城へは行く機会に恵まれなかったのですが、2014年2月に念願の再訪問。初訪城時も雪だったのですが、再訪問時は、関東地方の記録的大雪の一週間後であったため、まだ多くの雪が残る中での見学となりました。
大谷口歴史公園の北東側の入り口を登るとすぐに障子堀がお出迎え。そのまま最高所に移り、削平地になっているところの奥に移動すると畝堀が残ります。
この畝堀は2012年当時もほとんど畝を確認できませんでしたが、当然2014年時点では畝自体はほぼ消滅してしまっている状態です。
ほかにも土塁など多くの遺構を残しますが、驚くことはこの歴史公園自体もなかなかの大きさなのですが、これ自体、小金城の一部にすぎなかったとのこと。大谷口付近が中心部ではあったそうですが、この歴史公園以外はほとんど住宅地として整備され遺構は残していません。
公園も整備され天候・季節を問わず訪問することが可能ですし、東京からのアクセスも便利ですし東京付近で手頃に中世城郭を楽しみたいファンの方には必見の城です。
所在地
千葉県松戸市大谷口
新宿駅からのルート(※料金や所要時間は目安です。)
【入館料】0円