江戸幕府末期に置かれた駿府田中藩本多氏の陣屋
現在の流山市立博物館、市立図書館の位置には千葉県が誕生し、その中心地が千葉市に移るまで葛飾県の県庁、そしてその後に印旛県の県庁が存在し、それらの県の中心地であった場所です。
現在それを示す石碑が現地に設置されています。その旧県庁には駿河の田中藩本多家の陣屋がありました。
日本城郭大系にも、小さな扱いですが、本多紀伊守下ヤシキと紹介されておりますが、その説明としては「半島状台地にあるが、遺構は不明」とのみしか記されていません。また住所ですが、現在の図書館などの位置は「流山市加1-1225」ですが、城郭大系では「流山市加1-1226」と若干のズレがあるようです。
陣屋が出来たのは文久3(1863)年。それまで江戸にあった下屋敷をこの地に移したとのことです。明治2(1869)年から葛飾県県庁になりますので、わずかな期間の歴史ですが、幕末の激動期に陣屋が築かれていました。
陣屋の遺構は残っていませんが、図書館のある位置がやや丘陵上になっていますので、軍事的な意味合いも考えられた陣屋だったのでしょうか。
図書館のある位置には加村陣屋を示すものは何もありませんでした。時間もあまりなかったので、周辺を散策していませんので、ひょっとすると、見忘れているものもあるかもしれません・・・
場所は流鉄流山線の流山駅から、北側に直線距離で300メートルほどの位置。さらにそこから1キロほど北側に進むと、戦国時代に松戸市の高城氏の本城小金城の支城だった花輪城址公園があります。
また訪問時、そちらには足を運んでいませんが、新撰組の近藤勇が最後に籠もった場所も加村陣屋の近くだそうです。
流鉄もちょっとした旅情気分をかきたててくれるローカル鉄道。都内からもアクセスのいい場所ですので休日にぶらりと歴史散策がお手軽にできる街です。
所在地
千葉県千葉県流山市加1
新宿駅からのルート(※料金や所要時間は目安です。)
【流鉄流山線】幸谷駅~流山駅料金 片道170円 所要時間 約10分ほど
【入館料】0円