大垣城の近くに伝わる氏家氏ゆかりの城砦跡

JR大垣駅の東側、2014年1月現在では広大なイオンタウンがあり、それと隣接する「まこと幼稚園」付近が三塚（みちづか）城の跡と伝わります。

三塚城は日本城郭大系では未収録になっていますが、その前身的存在の日本城郭全集には収録されている城跡です。

それによると、正式な築城時期は不明であるそうですが、天正年間（1573～91）に美濃三人衆（美濃斎藤氏の有力家臣のことで、稲葉良通、安藤守就、氏家直元（卜全）を指す）であった、氏家直元（卜全）の子・行広が秀吉から1万5千石を与えられ住んでいたことがあったとのみ記されています。

どうやらこの行広は、関ヶ原の戦いでは西軍に与したことで、徳川政権になってから改易処分を受けていたようです。それまでの居城。また、信長・秀吉によって天下が治まった中で存在していた城であるなら、恐らくは一豪族の居館程度の規模であったとは思います。

現在の三塚城は残念ながら遺構は全く残りません。冒頭で触れたイオン、幼稚園ほかにも宅地化されており、地形も往時のものであったか疑問が残ります。

幼稚園の外側に石碑が建立されているだけで、解説板も設置されていません・・・
近くに大垣城があるため、大垣市もこの城に関しては完全無視といった感じでしょうか・・・

ただ大垣城は徒歩圏内に位置しますので、戦国の時代から存在していたなら、その支城の役目も果たしていた城であることは想像できる城ですね。

特に見所が存在するわけではありませんので、その大垣城訪問の際に、時間をとって大垣市内を散策することができるなら、一度立ち寄って見られてはいかがでしょうか？