習志野市役所裏側の鷺沼太郎源太光義の居城跡

京成津田沼駅から習志野市役所まではわずかの距離。その市役所の裏側にある「鷺沼城址公園」。公園化されているので場所もわかりやすいと思います。

この鷺沼城は室町時代に、鎌倉公方足利氏と、関東管領の山内・扇谷上杉氏、さらに幕府軍も加わり30年近くにわたり関東の戦国の動乱のきっかけを作ったともされる「享徳の乱（1455年～1483年）」に乗じ、名門千葉一族の本家を乗っ取った、千葉氏庶流の原（千葉）胤房の家臣だった鷺沼太郎源太光義の居城跡とされます。

戦国期には国府台で北条氏康と里見氏が合戦を行った際に「鷺沼源太満義」が参戦し、その彼自身の石碑が大きく建立されています。ただ、この「満義」と先の「満義」は読み方が同じなため、子孫なのかそれとも同一人物なのか、あまりよく分かっていないそうです。

肝心の城跡ですが、習志野市役所方面から向かうとかなり急な階段が設置されており、往時の要害ぶりを垣間見ることができます。また城の東側の公園入り口付近には川かと一瞬思ったほどの深い「谷」のような地形となっており、これは後年の開発のものか、もともとの地形なのかは分かりませんが、城砦が置かれる要件を満たしていることがわかります。

公園内部は古墳も発見されており、先の石碑の裏側はじめ２基の古墳が眠るそうです。しかし、歴史公園というより、児童用の遊具などが設置された地元の方の憩いの場という公園。

なぜか児童用の遊具が設置されている場所は土塁のような土の盛られ方がされていたり、古城跡であることをどこか意識した公園の設計になっているようです。

明確な遺構も少ないですし、オススメとは言えませんが、立地的に訪問しやすいので、首都圏近郊にお住まいの方は一度足を運んでみてください。