足利義政が建立した東山文化を象徴する古刹
金閣寺に対し銀閣寺と称される慈照寺(じしょうじ)は足利幕府8代将軍の義政が、将軍職を子の義尚に譲ったあと文明14(1482)年に建設を始め、その3年後には義政が移り住んだとされる古刹です。
銀閣と称される観音殿は国宝に指定されており、さらに平成6(1994)年には、冒頭の金閣寺らと合せて「古都京都の文化財」として世界遺産にも指定されています。
正式に慈照寺となるのは、延徳2(1490)年1月に義政が死去したことで、それを弔うために菩提寺として改めて創始された時からとされます。
後の時代、12代将軍の足利義晴と義輝の父子の時代には、その裏山に中尾城を築城。また戦国期には織田信長とも交流があったことで著名な公家・近衛前久も別荘にしたことがありました。
京都の代表的な観光名所のひとつで、近くに父方の祖父が生前時暮らしてた家があったので、子どもの頃から馴染みのある寺なのですが、実は2015年に初訪問するまで、中には入ったことがありませんでした。
金閣寺ほどの広さではなく、こじんまりと感じるのも足利将軍家の権威がそれだけ落ちていたということでしょう。
わび・さびで知られる東山文化の中心的な建築物ですが、庭園の苔の美しさなど、政治家としてより芸術家としての才能が高かったとも言われる義政ならではの見所も多い名所です。
普段、城巡りをされておられる方の中には管理人のように、著名な観光名所を避けておられる方もいらっしゃるかと思いますが、改めて訪問してみると、やはりいいものです。
また天守閣ではありませんが、こうやって建築物の遺構があるのは、やはり目を楽しませてくれますね。
事実上の足利将軍の邸宅跡とも言える金閣寺、銀閣寺。距離がありますので、二条城等、ほかの観光名所と合せて回ろうとすると時間的にも厳しくなるかもしれませんが、ぜひ見学していただきたい京都の史跡です。
所在地
京都府京都市左京区銀閣寺町
新宿駅からのルート(※料金や所要時間は目安です。)
【JR新幹線】新幹線のぞみ 品川駅~京都駅 料金 片道13,910円 所要時間 約2時間15分ほど
【京都市バス】17系統など 京都駅~銀閣寺道 料金 片道230円 所要時間 約40分ほど
【入館料】大人・高校生500円、小・中学生300円