二・二六事件で高橋是清邸を襲撃した部隊の拠点

昭和の史跡を取り上げることは少ない当サイトですが、ここは昭和初期に日本で起きた軍事クーデターとして著名な二・二六事件の史跡を紹介します。

二・二六事件は昭和11（1936）年、その名の通り2月26日に起きた事件。当時の陸軍が関与しましたが、その中でも主力となったのが近衛歩兵第3連隊。
事件で犠牲になった人物の一人、高橋是清（元総理大臣、事件当時大蔵大臣）を襲撃した中橋部隊もこの第3連隊に所属していました。

また昭和20（1945）年、第二次世界大戦終結となるポツダム宣言を受け入れた当時の総理大臣・鈴木貫太郎（元連合艦隊司令長官、事件当時・侍従長）を襲撃した安藤部隊も第3連隊でした。

クーデターは失敗に終わったことは周知の事実ですが、日本の近代史における重要な意味をもった事件が、東京赤坂を中心に起きたことはあまり知られていないかもしれません。

この第3連隊があった場所は、今のTBS。
よくTBSの番組で「心臓破りの坂」としてタレントが走る道がありますが、それを登り切った位置。今では静かな公園となり、記念碑が設置されています。

二・二六事件で犠牲になった高橋是清の邸宅跡は、その坂上から青山一丁目方面へ降りきった位置。今は高橋是清翁記念公園として、園内には是清の銅像などが設置されています。

東京赤坂と言えば、高級な料亭の街・・・等といったイメージが強いかもしれませんが、実は他にも多くの史跡があり、幕末から明治維新にかけて活躍した勝海舟の邸宅跡や、もっと古い時代、平安時代の武将、木曽義仲の家臣、今井兼平の居館。
遺構が残るものとしては、江戸城外郭の赤坂見附の石垣など幅広い時代の史跡が残されています。

東京都心の東京駅中心部。また当サイトのテーマである「新宿発」。
新宿からもアクセスが便利な赤坂の街を、一度歴史散策されてみてはいかがでしょうか。