明治初期まで岐阜の中心地だった江戸時代の陣屋
岐阜市の南側にある笠松町。競馬ファンの方であれば「オグリキャップ」の名前でご存知の方も少なくないかと思います。
笠松は江戸幕府時代、美濃の直轄領を統治するための代官所を用意します。初代は東京八王子に本拠を持っていた、旧武田遺臣で、徳川家康に重宝された大久保長安。彼は絶大な権力を握っていたとされ、美濃だけでなく奈良にも奉行所を構えていたとされます。
その後四代目の名取半左衛門長知の頃、寛文2(1662)年、この笠松に陣屋を構え、以後幕末まで続くことになります。奉行職には、特に決まった一族が世襲で就くことはあまりなく、かなり多く入れ替わったようで、日本城郭大系によると第9代の辻甚太郎守雄の代に、美濃と伊勢の幕府直轄領を支配する美濃郡代に格上げ。
最後第25代、屋代増之助の時に大政奉還を迎えたそうです。
その後も、廃藩置県で笠松県が置かれると、笠松陣屋は県庁となり、明治4(1872)年に岐阜県が誕生してからも、引き続き笠松が岐阜の中心でしたが、明治6(1874)年に、現在の岐阜市へ県庁が移り、今では住宅地となっています。
美濃の奉行所自体は、大坂の陣(1614~15)前には設置されていましたので、当初は西国への睨みを効かせる役割もあったかと思いますが、笠松陣屋自体は平和な時代に築城されているため、あまり軍事的な性格は感じることができませんでした。
もはや軍事的な性格よりも、すぐ近くの木曽川は伊勢湾に続くため、経済面で重要な位置にあったのだろうと思います。
2016年の12月末に岐阜市内の城跡を京都から日帰りで訪問。最後に名鉄で石碑が設置されている所を訪問しましたが、普通乗車券で乗車可能な特急もあり5分程度で訪問可能。
管理人のように他の地方から訪問される方も、非常にアクセスがいいので訪問しやすい史跡だと思います。
所在地
岐阜県羽島郡笠松町県町
新宿駅からのルート(※料金や所要時間は目安です。)
【JR新幹線】新幹線のぞみ 品川駅~名古屋駅 料金 片道10,890円 所要時間 約1時間37分ほど
【JR在来線】JR東海道本線 名古屋駅~岐阜駅 料金 片道470円 所要時間 約27分ほど
【名鉄線】名古屋本線 名鉄岐阜駅~笠松駅(特急停車駅:自由席は普通乗車券で乗車可) 料金 片道230円 所要時間 約5分ほど
【入館料】0円