長島一向一揆で織田信長に降った武将の城跡

白山ヶ鼻（はくざんがび）城JR・近鉄桑名駅の北西の位置にある桑名市立大成小学校のあたりにあった城跡だと考えられています。日本城郭大系にも紹介はされていますが、わずか「室町期、近藤右京進の居城。小学校で遺構不明」と記されているのみ。

すぐ近くに尾畑（おばた）城がありますが、この両城の関連性を証明する史料はないようですね・・・

この近藤右京進は長島一向一揆の際に織田信長方に降った人物らしいので、この一帯は一向宗側についていたのでしょうね。遺構はわかりませんが、桑名駅からこの白山ヶ鼻城を目指すとかなりの高台にあることがわかり、いかにも中世の城跡に必須の条件が満たされているように感じました。

訪問当日は小雨も舞う中、傘もなかったので足早に周辺を散策することしかできませんでしたが、それでも小学校の外周は一周。絶壁になっている箇所も確認でき、往時の遺構の名残ではと思いたくなる箇所もありましたが、それは明確ではないようですね・・・

十分にこの位置が中世の城跡に必要だった要素を兼ね備えていることは分かりましたが、残念なことはせめて石碑や解説板がないこと。この近辺の城跡では桑名城の知名度が抜群で三重県・桑名市としてもそちらに集中したいことは理解できるんですが、一般的には名もない白山ヶ鼻城のような城ももう少し取り上げていただければ城ファンとしては嬉しいんですけどね。

中心部は小学校にため立ち入ることはできませんが、周辺は完全に開発されているため季節・天候を問わず訪問することが可能な城跡。ただ白山ヶ鼻城を目標に単独で訪城するような城跡ではないことも事実ですね・・・

ここは文中で触れた桑名城など他の城跡と合せて散策されることをオススメします。