今川氏が築城した戦国時代の山城跡
JR東静岡駅北口を出ると目の前に丘陵(谷津山)が見えますが、このあたりに戦国時代の今川氏が築城した愛宕山城があったとされ、堀や郭跡を確認することができます。
日本城郭大系によると、築城時期は永正元(1504)年に今川氏親が築城されたと記されています。茶臼山砦、長沼塁などとも呼ばれ、史料によると明確な城の呼び名は統一されていなかったとされます。当サイトでは愛宕山城として紹介させて頂きます。
織田信長により今川義元が討たれ、氏真が今川当主になった後、永禄11(1568)年に武田信玄に敗れると、氏真は掛川城へ退避、愛宕山城は武田氏の支配下に入ったと考えられています。
いつごろまで存続した城かは記されておらず不明ですが、現地の神社由緒書きには。天正2(1571)年には愛宕山城跡に愛宕神社を勧請したとされますので、戦国時代途中には、その役割を終えたいたと考えられます。
現在愛宕神社の賽銭箱には徳川氏の家紋が記され、徳川氏との関係性が強くアピールされています。
東静岡駅から霊園を経由し(墓地の中を通るのではなく、大きな道沿い)駅側からみて谷津山の反対側に回り込むと、登山口が現れます。最初はコンクリートでできた階段を上りますが、途中から完全な山道に入ります。ハイキング道としてはよく整備された登城道を進むと、それらしき郭跡や、堀切を確認することができますが、それぞれの説明や碑が設置されているわけではありませんので、注意しながら山頂を目指していきたいところです。
やや鬱蒼とした山道を抜けると急に広大な郭跡に出て、ここは公園のようにキレイに整備がされています。そしてその上に愛宕神社がありますが、公園が三の丸、そして神社が本丸であったことが現地の解説板に記されています。
訪問時、ほぼ夕暮れが迫っており、急いでの登城でしたので城域の西側を中心に散策をしただけで、まだ全体をしっかりと散策できていませんが、街中の城としてよく遺構が残された部類に入る城であると思います。また徳川氏が入る前、戦国初期に活躍した今川氏の痕跡を感じることができる城としても大変貴重な存在だと思います。
城にはやはり夏場は避けて、冬など虫や爬虫類の活動が収まった頃がベストだと思います。整備はされていますが、最低限、山道を不自由なく上り下りできる格好は必須の城跡ですが、比較的お手軽に訪問することができると思います。
まだ散策しきれていない箇所などを残していますので、また機会を見て愛宕山城にも再訪問をしたいと考えています。
所在地
静岡県静岡市葵区沓谷
新宿駅からのルート(※料金や所要時間は目安です。)
【JR在来線】JR山手線 新宿駅~品川駅(乗換え) 料金 片道200円 所要時間 約20分ほど
【JR新幹線】新幹線こだま 品川駅~静岡駅 料金 片道6,550円 所要時間 約1時間15分ほど
【JR在来線】静岡駅~東静岡駅 料金 片道140円 所要時間 約3分ほど
【入館料】0円