名刹・平林寺を守るために設置された高崎城主の陣屋

埼玉県新座市の新座市役所の裏側付近の農地に、大きな案内板が用意されています。当サイトでは「野火止陣屋」とさせて頂きましたが、案内板では「野火止用水陣屋堀」として紹介されています。

関東地方でも屈指の名刹と言える平林寺は臨済宗の禅寺で、川越藩主の松平信綱も眠る寺です。

松平氏による支配が続いた後、松平氏が古河に移り、替わって川越城に入った柳沢吉保でしたが、その柳沢吉保がまた甲府城へ移ると、先の松平信綱の孫・信輝の弟になる高崎城主松平輝貞が、周辺の知行と、近くの平林寺を守るために陣屋を構えたと、現地案内板には示されていました。

農地のものか、当時のものかわかりづらいですが、土塁のような物も確認することができます。

個人的には関西から、初めて関東に出てきたときに暮らした街が、この埼玉県新座市。そんな縁あって関東地方で最も愛着のある街の城砦跡として、ぜひ当サイトで紹介したく改めて写真の撮影に向かいました。

そんな背景もあり、正直見所が多い城砦ではありませんが、個人的には当サイトの中でも思い入れという意味では一、二を争うくらいの城跡。ですが、確かにここだけを他府県から訪問されると期待はずれに終わってしまうとは思いますので、先にも触れている名刹・平林寺。

ほかにも武蔵野線での隣駅になる東所沢駅には、本格的な遺構が楽しめる後北条氏ゆかりの「滝の城」がありますので、それらと合わせて見学されることがオススメです。