日本の城巡り「MARO参上」

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小倉城(埼玉県)

後北条氏重臣の遠山氏が拠った石垣が残る山城跡

 

小倉(おぐら)城は、多くの中世城郭を残すエリアとして首都圏では著名な埼玉の比企地区にある山城で、現在は大福寺が麓に建ち、武蔵嵐山駅が最寄にはなりますが、ここは徒歩で向かうのはかなり厳しい場所にあります。

当サイトで紹介している城の9割以上は電車と徒歩のみで訪問しているのですが、この小倉城は2014年3月に「関東遠征」できる機会に恵まれたので、当サイトの相互リンク先の一つである「ぶらりぶらりお城巡り」の管理人さんと、そのクルマで訪問しました。

まずは小倉城の歴史ですが、日本城郭大系によると、元亀・天正年間(1570~92)に遠山右衛門大夫光景が拠ったと新編武蔵国風土記稿に記されているそうです。

遠山氏は後北条氏に仕え、武蔵松山城と共に落城したと、その間の繁栄記などは全く記されていません。この落城は恐らく天正18(1590)年の豊臣秀吉による「小田原」征伐」によるものと思われます。

遠山氏は江戸城城代を務めていたそうで、光景の父・直親は江戸城城主であったそうです。

歴史背景の詳細は詳しく記載されていないため、現在の城について紹介します。
比高は71メートルほどの大福寺の裏山山頂に築かれており、墓地脇の登山道を登っていきます。

道はほどよく整備されていますが、夏場などは蛇などの危険もあると思われる山道です。やはり履物はしっかりとしたものがオススメです。

しばらく登ると、関東では珍しい石垣(石積)がお出迎えしてくれ、本丸に入っていけます。そのまま本丸に入らずに足元も不安な道を西側へ移動すると、見応えたっぷりの高石垣を見ることができます。
これはかなりオススメです。

本丸には石碑や解説板が設置されていますが、これがかなり広大な削平地になっており、遠山氏の力を想像させてくれます。

本丸から東側にある二ノ丸に移動すると、ここも見応えのある竪堀。また土塁が広がりインターネット上でも評価の高い中世山城であることが十分理解できる素晴らしい遺構状態です。

冒頭で触れたとおりアクセスが非常に悪い立地条件なのですが、苦労して訪問しただけの感動を十分に伝えてくれる城です。天候や季節は考慮したほうがいいですが、訪問を迷っておられる中世城郭ファンの方は一度ぜひ訪問なさってみてください!管理人からも超のつくオススメの中世山城跡です。

所在地

埼玉県比企郡ときがわ町田黒

新宿駅からのルート(※料金や所要時間は目安です。)

【JR山手線】新宿駅~池袋駅(乗換え) 料金 片道150円 所要時間 約8分ほど
【東武東上線】池袋駅~武蔵嵐山駅(急行停車駅) 料金 片道700円 所要時間 約1時間7分ほど
【入館料】0円

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