鎌倉幕府有力御家人の館跡
東武東上線の武蔵嵐山駅を挟んで北側に杉山城。そして南側にこの菅谷館とこの近辺は古城跡が多い地方です。
1973年(昭和48年)にこの菅谷館は国の史跡に指定。さらに2008年(平成20年)には、先の杉山城をはじめ、近くの小倉城、松山城を加え「比企城館跡群」として広域指定されている古城ファンには嬉しいエリアです。
この菅谷館は鎌倉幕府の有力御家人であった畠山重忠氏の館跡と伝えられており、敷地内には畠山重忠氏の石像が設置されています。また「埼玉県立嵐山史跡の博物館」が敷地内にありますが、この博物館には「しゃべる畠山重忠」が入り口で「お出迎え」をしてくれるなど、畠山氏ゆかりを感じさせるものとなっています。
ですが今の菅谷館は「館」ではなく「城郭」としての規模であり(本当に先の杉山城に負けない広大な敷地です。)、戦国末期には後北条氏によって改修されたという説や、後北条氏が進出する以前に廃城になったという説など、よく分からないことが多い古城跡だということです。
先にも触れたとおり、敷地は広大な敷地です。とくに主郭付近の空堀などは迫力もある遺構です。秋に訪れたので紅葉も美しく館内はとても整備が行き届いていますので、古城ファンならずとも楽しめるスポットだと思います。
ただよく写真に見かける畠山重忠氏の石像付近や、正坫門(しょうてんもん)と呼ばれる場所に架けられた木橋などには「毒ヘビ(マムシ)注意」の立て札が用意されており、夏に訪城される方は注意が必要です。(秋も終わりに近い時期での訪城でしたので、ヘビに対する不安は少なかったのですが、確かに相当草木も多く、またちょっとしたケモノ道のような道を歩く箇所がありますので、山に慣れていないワタクシには不気味に感じる箇所もあったので。)
街自体も大きな所業施設などもないのですが、小ぶりながらも生活感のある街で、飲食店などもいくつも存在しますので、ぜひ時間をとって杉山城とセットで古城巡りをしてみてはいかがでしょうか。(この二つの城を歩いて回れば、7~8キロは歩くことになるので、動きやすい格好で訪城しないとツラいと思います。)
所在地
埼玉県比企郡嵐山町大字菅谷
新宿駅からのルート(※料金や所要時間は目安です。)
【東武東上線】池袋駅~武蔵嵐山駅(急行停車駅) 料金 片道700円 所要時間 約1時間7分ほど 徒歩約30分ほど
【入館料】埼玉県立嵐山史跡の博物館のみ一般100円、高校生・学生50円