北条早雲に滅ぼされた足利氏の居館跡
伊豆箱根鉄道の韮山駅西側に、鎌倉幕府初代執権の北条時政の居館があったとされますが、ほぼ同じ場所に室町時代には堀越御所があったとされます。
日本城郭大系によると、長禄元(1457)年に古河公方・足利成氏(しげうじ)に対抗するために、8代将軍・義政の弟・政知を鎌倉へ下向させようとするも、関東の政情が混乱をきたしていたので箱根を越えることができずに、この韮山に拠点を構え、古河公方と対立することになったとされます。
しかし政知は延徳3(1491)年に57歳で没すると、その跡を継いだ茶々丸は伊豆国内を混乱に招いてしまい、当時興国寺城にいた北条早雲(伊勢新九郎長氏)が扇谷上杉定正と組んで同年、堀越御所を急襲。
近くの守山城に立てこもるも力尽き自害し結果、韮山城を早雲が築き、以後伊豆を支配することになりました。以後の後北条氏の繁栄についてはここでは割愛させて頂きます。
堀越御所は2015年12月末に訪問した際は、公園と呼ぶか空き地と呼ぶか表現に悩む状態でした。解説板は設置されていましたが、冒頭で触れました北条氏館には石碑もありましたが、堀越御所にはなし。その「待遇」の差は天下人とあくまで伊豆の一有力者であった堀越足利氏ということでしょうか。
周辺は宅地化されており、遺構はおろか、往時の地形も残っていませんが、恐らくは狩野川にほぼ面する地形で、詰めの城に利用できる守山があるなど、軍事的にも最低限の要素を押さえていたのだと思われます。
これは余談ですが、訪問時、堀越御所から富士山を望むことができました。堀越御所としての見所は少ないですが、文中に登場した韮山城や、北条氏館など韮山は歴史散策にピッタリの街。じっくりと時間をとって他の史跡散策と合せて回って頂きたいと思います。
近くのオススメすぽっと
三島駅南口のほぼ正面にある中華料理屋「のあき中華飯店」さん。典型的な町の中の中華屋さん。こういう素朴な雰囲気がすきなので大満足。中華丼と餃子で旅の疲れを癒させていただきました。
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三島駅南口東側の「天然温泉 富嶽の湯 ドーミーイン三島」さん。その名の通りの温泉付きのビジネスホテル。部屋もキレイで城めぐりの疲れを癒すのにピッタリの宿です。
所在地
静岡県伊豆の国市四日町
新宿駅からのルート(※料金や所要時間は目安です。)
【JR新幹線】新幹線こだま 品川駅~三島駅 料金 片道4,520円 所要時間 約50分ほど
【伊豆箱根鉄道】駿豆線 三島駅~韮山駅 料金 片道270円 所要時間 約20分ほど
【入館料】0円