京都御苑内に残る五摂家の一つ九条氏の邸宅跡

京都御所と一般的に称されるエリアには、かつて多くの貴族の屋敷が立ち並んでいました。当サイトでも織田信長と親交の深かった、近衛前久の邸宅跡などを紹介させて頂いていますが、この九条邸宅跡も、藤原氏の嫡流で、公家の頂点に立った五摂家の一つ、九条氏の邸宅跡と、武家の城跡、居館ではありませんが、同等のものだと考え、番外編ではありますが紹介をさせて頂きます。

幕末に関白を務めた九条尚忠は、日米修好通商条約（安政5（1858）年）を幕府側に立ち推し進めた一人ともされ、さらに幕府との協調路線の立場から公武合体の一環として、和宮降嫁等も積極的に関わった人物であるなど、日本史上にその名を刻み込んだ貴族の一人です。

尚忠も暮らした九条邸宅は、今ではほとんどがその跡も残りませんが、一部茶室の拾翠亭等が江戸時代からの建築物遺構として残されています。
ほか、記念碑や解説板が設置されています。

公家の屋敷跡のため、武家とはまた性質も異なりますが、朝廷にとって重要家の一つであったため、最低限の防御施設も当然あったものとは考えます。

当サイトは「城巡り」がメインで、訪問いただいている方も多くは「城跡」を探しに｣ご覧頂いている方が多数かと思いますが、せっかく京都へ訪問されたなら、代表的な観光地も巡られることが多いと思います。そんな時、この京都御苑内に残る貴族達の屋敷跡も回ってみられてはいかがでしょうか？

同じ御苑内の仙洞御所は、豊臣秀吉が聚楽第を取り壊した後、築いたとされる京都新城だったと伝わりますので、御苑内をじっくり散策されてみるだけでも飽きることなく、歴史散策が楽しむことができますよ。