忍城城主・成田氏家臣の小宮山氏の居城跡

埼玉高速鉄道「戸塚安行駅」すぐ近くの住宅地が城跡で、かつては発掘調査なども行われていたそうですが、2012年10月現在では宅地として再開発も進み、城を偲べるものは何もありませんでした。

近辺は明らかに高台になっており、中世の武士の城郭があった場所らしき地形。北側には濠跡かなとも思える場所がありましたが、恐らく宅地として開発されただけのものでしょう・・・

正直、石碑や解説板がないと城に訪問したという実感も、またこうやって紹介させて頂いても、間違えた場所を紹介していないか不安になってしまう城ですが、ここは人物往来社の「日本城郭全集」に掲載されていますので、そちらを参考に歴史背景の紹介をします。

「新編武蔵国風土記稿」には絵入りで紹介されているそうで、「天正年中、小宮山禅正介忠孝といえる人の塁跡にして」と記載されているそうです。また近辺の宅地内に「竜賀之城、小見山弾正霊神」の石碑があると、日本城郭全集にはありますが、2012年でも残っていたのでしょうか・・・

小宮山氏は忍城の城主・成田氏の家臣で天正年間（1573～1591）に戸塚城を統治していたと考えられますが、天正18（1590）年の小田原の役に伴う、忍城の攻撃で運命を共にしたと考えられているとのことです。

訪問した時は戸塚城よりも北側にあるJR東川口駅から、さらに南側にある赤山城へ徒歩で向かい、その最中にこの城にも寄りました。

冒頭で触れたとおり、とにかくどこに城があったのかもよくわかりません・・・。ぜひ川口市には記念碑を建てていただいてこの付近に戸塚城があったことを後世に伝えてほしいですが、まだまだ望みが低いかもしれませんね・・・

ここだけをピンスポットで訪問するような城跡ではありませんので、さきほど紹介させて頂いた赤山城を訪問される際に合わせて寄られてみてはいかがでしょうか。