賤ヶ岳七本槍の片桐且元の弟の居館跡
小泉城は元は室町時代に、大乗院方衆徒だった小泉氏の居館として存在したとされます。
その後、大和国の動乱の中、小泉氏の居館は筒井順永(著名な順慶のずっと前にあたります)に攻められ一族の多くが自刃したとされます。その後小泉氏の小泉城は落城。
筒井城の柱などに廃材は利用されたとされます。
時は流れ慶長6(1601)年、「賤ヶ岳の七本槍」の一人として著名な片桐且元の弟・貞隆が1万5千石で大名となり、元和9(1623)年に小泉に入り陣屋を構えたと伝わります。
日本城郭大系によると、小泉氏の居館を「小泉城」。片桐氏の居館を「小泉陣屋」と紹介しています。
当サイトでは二つまとめて「小泉城」として紹介していきます。
JR大和小泉駅から城域に入ると「片桐城」の石碑があり、その奥にあるちょっとした広場に「小泉城」の石碑と解説板が設置されています。
また片桐城の石碑前、道路を挟んだ正面には明らかに堀跡と思われしき地形が残りますが、ここは城郭大系によると外堀となっています。
小泉城は幕末まで片桐氏の統治が続きましたが、今も片桐氏のご子孫が暮らしておられる高林庵には隅櫓が復興されています。
ここは「ナギナタ池」を挟んで見ると復興と言え、城らしき雰囲気を楽しむことができます。
さらに「お庭池」に沿うように細い道を進むと小泉神社があり、ここに片桐小泉城の門が移築されています。
現存する建築物としては唯一のものとなります。
小泉城は移築門や、復興櫓だけをピンポイントに訪問するのではなく、城内をゆっくり散策してみると、意外なところにかつての名残らしきものを認めることができますし、そちらの方が楽しむことができると思います。
あたりは完全に宅地化され、アスファルトで舗装された道ですから、季節・天候に関わらず訪問することが可能です。観光都市奈良のJR奈良駅からわずか2駅という立地条件でもあるので、管理人のような公共交通機関で城めぐりを楽しんでおられる城ファンの方も、お手軽に訪問することができる近代城郭跡です。
所在地
奈良県大和郡山市小泉町
新宿駅からのルート(※料金や所要時間は目安です。)
【JR新幹線】新幹線のぞみ 品川駅~京都駅 料金 片道13,520円 所要時間 約2時間15分ほど
【JR在来線】奈良線 京都駅~木津駅(快速停車駅・乗換え)~大和路線 大和小泉駅 料金 片道950円 所要時間 約1時間5分ほど
【入館料】0円