秦河勝が暮らした伝説の地にあった城跡
近鉄の田原本(たわらもと)駅と笠縫(かさぬい)駅の間。やや笠縫の方が近いですが、急行を利用される場合は、田原本が便利な立地にある秦楽寺(じんらくじ)が秦楽寺城跡とされます。
日本城郭大系には次のような説明がされています。
「元亀元(1570)年9月、松永久秀が秦楽寺城に進出して十市郷の焼亡作戦を指揮した(二条宴乗記)」とあり、さらに環濠が残されていると短い説明ですが説明があります。
秦楽寺には城に関する説明や由緒書は見当たらず、石碑などは存在しません。代わりに、その名前が連想させるとおり古代日本で活躍した渡来系の秦氏。それも聖徳太子の側近として活躍したとされる秦河勝(はたのかわかつ)が創建した寺という説明が。
秦河勝自身がこの地に暮らしたという説もあるそうなので、恐らくは秦氏の末裔。またはそれを自称する豪族の城であったと思われます。
現在は寺の周囲に土塁とも見える地形も確認できますが、これが秦楽寺城の名残であるかは確証が持てません。
また環濠跡に関しても周辺が水田が多く、そのため水路は多いのですが、どれが当時の遺構なのかは分かりませんでした。ただ当時から恐らく水田広がる景色は変わらなかったでしょうし、それが城(環濠)の防衛機能の役目を果たしていたのであろうことは想像ができます。
城としての見所は決して多くはありませんが、さすが歴史遺産の宝庫である奈良。周辺には決してメジャーではありませんが、多くの寺社があり、重要文化財なども存在。うち田原本駅近くの浄照寺には、京都の伏見城の城門が寺の表門として移築されたものだそうです。
管理人は夕方に駆け足で田原本を訪問しましたが、天気のいい日に、ゆっくりと時間をとってそれらと合せて歴史散策をされると秦楽寺城の満足度も上がってくると思います。
所在地
奈良県磯城郡田原本町秦庄
新宿駅からのルート(※料金や所要時間は目安です。)
【JR新幹線】新幹線のぞみ 品川駅~京都駅 料金 片道13,520円 所要時間 約2時間15分ほど
【近鉄】京都駅~田原本駅(急行停車駅 ※橿原神宮前行きは直通 ※奈良行きの場合、大和西大寺駅で乗換え) 料金 片道800円 所要時間 約1時間ほど
【入館料】0円