織田信長弟、有楽斎の子孫が幕末まで統治した陣屋跡
奈良県天理市、JR桜井線の柳本駅近くにある黒塚古墳から、柳本小学校にかけて、中世の柳本(やなぎもと)城、江戸時代の織田信長の弟・有楽斎子孫が幕末まで統治した、柳本藩の拠点・柳本陣屋があったとされます。
まず柳本城ですが、ことらは楊本氏が室町時代に築城したと考えられ、至徳元(1384)年の「長川流鏑馬日記」にもその名を確認することができるそうです。
楊本氏は十市氏が勢力を伸ばすに連れ、居城も戦場と代わり没落。元亀3(1572)年には完全に十市氏の勢力に入り、十市氏の後室らが入城したとされています。
その後、世の中は織田信長が現れ、天下統一の機運が高まり、豊臣秀吉、徳川家康と権力者が移り変わった中、元和元(1615)年に織田信長の弟・有楽斎長益の子・尚長が大和に持っていた所領のうち、1万石を分与され、中世・柳本城の位置に柳本陣屋を築き、移り住んだのが近世の始まり。
遺構としては、古代の黒塚古墳を利用して築城された歴史があるので、古墳そのものが遺構の一部。
前方後円墳の円墳頂上に登ると周囲を見渡せ、いかにも中世城郭を築くのに相応しい地形であったことが分かります。
また古墳に隣接して黒塚古墳展示館があり、この1階部分には13代城主・織田信及(のぶひろ)の遺品として、柳本藩に残る織田氏の鎧兜が展示されています。
城跡としてより、古代の古墳としての性格が強い史跡ですが、かなりキレイに整備されていますので、時期も問わず安全に散策ができます。
また少し余談ですが、トイレ個室もキレイな洋式というのも嬉しいポイントだと思います。
日本史上きっての英雄と言っても過言でないでしょう。織田信長の直系ではありませんが、織田氏の名前を明治まで残した史跡として、もう少しクローズアップされてもいいかと思いますが、近くには織田氏の菩提寺、専行院などもありますので、天気の良い日に、じっくりと歴史散策を楽しむにはピッタリのエリアだと思います。
個人的にも以前から存在は知っていましたが、なかなか行く機会に恵まれなかったので、2016年10月初訪問は大満足でした。
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JR柳本駅と、柳本陣屋の途中には柳本藩・織田氏の菩提寺「専行院」があり、織田有楽斎の供養塔などが残ります。
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所在地
奈良県天理市柳本町
新宿駅からのルート(※料金や所要時間は目安です。)
【JR新幹線】新幹線のぞみ 品川駅~京都駅 料金 片道14,110円 所要時間 約2時間15分ほど
【JR在来線】奈良線 京都駅~奈良駅(みやこ路快速停車駅・乗換え)~ 桜井線 柳本駅 料金 片道970円 所要時間 約1時間30分ほど
【入館料】0円