堀跡が残る大乗院方衆徒山村氏の居館跡
JR桜井線の帯解駅近郊には多くの城跡が残り、駅の西側には今市城、東側にはこの山村館、そのすぐ近くには窪之庄城などがひしめくエリアです。
この山村館は大乗院方衆徒の山村氏が室町時代に築城したと日本城郭大系に記されています。古市氏の傘下だったそうで、冒頭で触れた窪之庄城の窪城氏も同様のバックボーンを持っているため、お互い協力関係にあったのでしょう。
実際この両城の距離がかなり近いです。
日本城郭大系では方形館の城館と記され、東西の堀際に土塁の痕跡があるとされますが、その西側の堀は溜池のように残り、訪問時確認しましたが、東というのは分かりませんでした。
その堀の「向こう側」が隆起した地形であることは確認できましたし、そこが本丸といいますか、城館域になっていることは一目瞭然ですが、田畑や家となっており入ることはできません。
石碑や解説板の類は設置されておらず、全く知らない方ですとよくある田園風景のひとつと見逃してしまいそうな城跡。
山村館に限った話ではないのですが、奈良県はあまり城跡保全に熱心ではないようですね(苦笑)。
冒頭で触れたとおりこの一帯の城跡をまとめて回ってみると満足感も高くなるエリアだと思います。基本的には季節、天候問わずに訪問できる平城なのですが、この山村館堀跡には「マムシ注意」の看板が設置されています。田園地帯なので当然だとは思いますが・・・
安心してじっくり散策されるには冬季の晴れた日がやはりオススメです。奈良市内中心部からも近いので気軽にお城巡りをしたいときにオススメしたい城館跡です。
所在地
奈良県奈良市山町
新宿駅からのルート(※料金や所要時間は目安です。)
【JR新幹線】新幹線のぞみ 品川駅~京都駅 料金 片道14,110円 所要時間 約2時間15分ほど
【JR在来線】奈良線 京都駅~奈良駅(みやこ路快速停車駅・乗換え)~ 桜井線 帯解駅 料金 片道840円 所要時間 約1時間10分ほど
【入館料】0円