石田三成の名将・島左近の伝説が残る城跡

近鉄生駒線、竜田川駅の北側、平群（へぐり）中央公園には二つの城があったと伝わります。
一つがこの下垣内（しもがいと）城、そしてもう一つが西宮城です。

竜田川駅から平群中央公園へ入ってくると、まず西宮古墳が目に入ります。ここは城とは余談になりますが、石棺も展示されておりぜひ城に入る前に見学をしていきたいところ。
といっても往時は古墳を城塞として用いた時代、この古墳も西宮城の一翼を担っていたと考えられるそうです。

日本城郭大系には、下垣内城については城主などの記載がありませんが、現地解説板によると後に石田三成に仕える、島左近の一族が築城し、左近（清興）もこの城にいた可能性があるとのこと。

元は島氏は筒井氏に従い、左近も筒井順慶を支えてきたとされますが、その死後、後を継いだ定次とは意見が合わず、筒井家を出た島左近は、蒲生氏郷に仕えたなど諸説あるようですが、有名な三成との出会い、三成が水口城に4万石で入った際、その半分の2万石で左近を招き入れたとの話。

真偽はともかく、左近はその後関ヶ原の戦い（1600年）でも三成と運命を共にしたと伝わります。

そんな左近の「出生の地」の可能性がある平群に訪れましたが、城跡の平群中央公園は整備された芝生の美しい公園。地形にその名残は感じるものの、埋め戻されていることもあって、目立った遺構はありません。

西宮城と合せて天気のよい日に、ゆっくりと公園内を散策したいですね。基本、履物などもあまり気にせず訪問できますが、一応現地には蜂やヘビには気をつけてと注意書きがありましたので、春から秋にかけては、スニーカーなどある程度しっかりとした履物だとより安全に楽しむことができると思います。