北アルプスに映える漆黒の烏城
長野県は東西南北に分割し、それぞれ「東信」「中信(西)」「南信」「北信」と分けて呼ぶことがあり、松本市はその「中信」の中心的都市にあたります。
東京新宿からも特急を利用すれば2時間半ほどで直行できるなど、案外首都圏へのアクセスも便利な街です。
その松本市に残る国宝の現存天守が象徴的な、日本100名城の一つでもある「松本城」元は戦国時代、信濃守護の小笠原氏によって築城されたとのことです。
当時は「深志」と呼ばれました。
小笠原家時代は、支城的な存在だった松本城も、後、信州に勢力を伸ばしてきた甲斐の武田信玄が、この城を拠点とし松本平を支配していったそうです。信玄亡き後、跡をついだ勝頼は織田信長によって滅ぼされますが、その後、徳川家傘下になった小笠原貞慶氏が、この旧領を再び治め「松本」と名を改めたそうです。
1590年には信長も亡き後の豊臣秀吉が、関東の後北条家の小田原を攻めますが、その功により関東へ徳川家康が移封されるのは有名な話ですが、それにともない家康傘下の当時の松本城主小笠原秀政氏も関東へ移動します。その時、入れ替わりで松本に入ったのは、石川数正ですが、彼は元は徳川家のナンバー2とも言える重臣でしたが、これより以前に家康を裏切り、秀吉に仕えていたようです。
この数正らが中心となり、現在の天守などを整備していったそうです。この後は、時代はやがて徳川家に移り、石川家は家康に恨まれていたかは、わかりませんが改易にあい、その後は小笠原氏が一時的に城主に復活するも松平氏などが主にこの城の城主をつとたようです。
今の松本城ですが、バックにアルプス山脈を従える漆黒の天守はまさに言葉を失う美しさ。有名な観光地ですので、写真の撮影は朝早くに訪問されたほうがいいかもしれません。
面白いのは堀の外側から見せるその姿は、堂々とし戦う姿を感じさせますが、一歩堀の内側から見せるその姿は美しくやさしい姿。360度全てに異なる顔を感じます。
メジャーすぎる城跡ですが一見以上の価値アリです。
天守閣の中には鉄砲などが展示されていますが、何より現存天守ならではの造りそのものに圧倒されます。
とにかく時間が許せば、いつまでもいつまでも眺めていたくなるその姿は、やはり名城そのものとしか形容がしようないです。
近くのオススメすぽっと
松本城のスグ近くには明治天皇が行幸の際、渡られた橋も残る「四柱神社」があります。神社脇には露天も並び、目の前には川も流れとてもいい空間です。
四柱神社とは真逆の位置になりますが松本城近くには日本でも最も古い小学校の一つである旧開智学校があります。建物の中を見学することも出来ます。いずれも松本駅から2キロあるかないか程度。松本市内中心部にありますので疲れたらカフェで休憩もスグにとれますので、北アルプスの澄んだ風を浴びながら散策してみるのもオススメです。
所在地
長野県松本市丸の内4-1
新宿駅からのルート(※料金や所要時間は目安です。)
【京王高速バス】新宿西口(ヨドバシカメラ付近)~松本バスターミナル 料金 片道3,400円(往復の場合5,950円) 所要時間 約3時間30分ほど
【JR】特急あずさ 新宿駅~松本駅 料金 片道6,710円 所要時間 約2時間26分ほど
【入館料】天守閣 大人600円 小・中学生300円(個人の場合)