武田勝頼を滅亡へと導いた小山田信茂の名城
JRと富士急の大月駅からも、戦国の雄・武田信玄に使えた小山田信茂の居城跡(都留市の谷村城との説もあるようですが)、岩殿山城のある岩殿山を目前に見ることができます。
その高さ634メートル。そして名前の通り、岩肌をむき出しにした威圧感のある山の頂上に城は築かれていました。
武田信玄の父・信虎の妹を母に持つ小山田信茂は信玄とは親戚関係にあたるだけでなく、多くの武功をたてた名将だったと伝わりますが、信玄亡き後、跡を継いだ勝頼にも従い長篠の戦いでも奮戦したと伝わります。
その信茂の居城、岩殿山城は武田三名城の一つともされる峻険な山城で、歴史上では武田勝頼が最後、新府城を捨てこの岩殿山城へ信茂の誘いもあり落ち延びてきますが、まさか寸前で信茂が裏切り。進退窮まった勝頼は天目山にてその生涯を閉じることになり、武田史の最終章に欠かせない場所です。
城山は整備はされているものの、靴だけはしっかりしたものを選んで登ったほうがいいと思います。登山途中に櫓を模した休憩所の丸山公園がありますが、こちらが山中では最後のトイレになります。
そして公園を後にして再度登山を開始すると熊出没注意のたて看板も・・・決して自然を舐めてはいけない山城なので、最低限の万一の装備をして訪問されたほうがいいと思います(管理人はiPhoneアプリの「熊鈴」を購入し、鳴らしながら登山をしました)。
名所「稚児落とし」との分岐点が現れると、山頂もあとわずか。この稚児落としは、岩殿山城が最後織田軍に攻撃された際、落ち延びる城中の女達が、子供を投げ捨てたという伝説のある場所。実際に行くためにはハイキングコースから外れ鎖場などの危険な場所もあるので、軽い気持ちで訪問はされないほうがいいとは思います。
その分岐点を越えてしばらくすると、天然の岩を利用した城門である揚城戸があり、ここをくぐるとすぐに三の丸に入れます。案内板などはここに設置されていますが、展望台からの眺めは爽快。富士山もクッキリと正面に見ることができました。
ここから本丸を目指す途中、右手には井戸跡である「亀ヶ池」「馬洗い池」があります。本丸は今ではアンテナが建っており狭く感じてしまいます。そのアンテナの裏側には空堀跡を見ることができます。
とにかくこの城は、山全体のスケールを楽しむお城だと思います。眼下に流れる桂川も険しい谷を形成し、往時はそうそう攻めることが容易ではなかったことが簡単に想像できます。
ドラマチックな歴史背景もあり、個人的に大満足の山城でした。
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JR大月駅は富士急の東京側からの始発駅でもあり、小ぶりながらも駅前も賑わいを見せる駅です。城山へ向かうのにコンビニも道中ありましたが、城山近くの最後の大型商業施設ダイエー。食料品調達やトイレ休憩に丁度よい施設です。またダイエーさんの駐車場からも城山の威容を眺めることができます。
「ダイエー」さん公式サイトはこちら
所在地
山梨県大月市賑岡町
新宿駅からのルート(※料金や所要時間は目安です。)
【JR中央本線】高尾駅~大月駅 料金 片道570円 所要時間 約35分ほど
【入館料】無料