日本の城巡り「MARO参上」

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嵐山城(京都府)

香西、細川氏が使用した嵐山山頂の山城跡

 

観光都市京都の中でも有数の「嵐山」。一般的に「嵐山」はエリア一帯を現す名前ですが、「山」としての嵐も存在し、その山頂には中世の城塞が築かれていました。

JR嵯峨嵐山駅から向かう場合は、多くの観光客と同じ方向に歩けば、有名な渡月橋につき、それを渡ります。そのまま突き当たりになりますので、そこを左折。法輪寺を越えたあたりに、ハイキングコースがありますので、そこを登っていきます。

途中までは松尾山へ向かう京都トレイルコースに辿っていけば問題ありません。道中も標識が多く、山道ですが不安も少なく登山が可能。ただ嵐山城へ行くには途中からトレイルコースを外れ、最後は獣道のような道を登っていくことになりますので、足元だけはしっかりとした物を履くようにお願いします。

嵐山城は明応6(1497)年に、その後讃岐(香川県)で栄えた香西氏の香西元長によって築城されたと考えられます。
ちなみに讃岐で栄えた香西氏はこの元長の弟筋にあたるそうです。

応仁の乱で東軍の総帥をつとめた細川勝元の跡取り騒動で、元長は澄之を支持。一時は澄之が管領に就任し権勢を奮ったとされますが、ライバルだった細川澄元が体勢を立て直し、嵐山城の元長も攻撃されます。

永正4(1507)年頃には元長の没落と共に、嵐山城は一旦落城したと、日本城郭大系、中世城郭事典に説明されています。

その後も細川氏、さらには「信長公記」にも比叡山延暦寺攻めにあたり、香西氏を将軍山城へ在城させられたとあり、讃岐で同族が活躍していた時代も、一部は京都に残り活動していたことが伺え、その際に嵐山城とも関係があったのではないかと、中世城郭事典には説明がされています。

嵐山城へ向かう際、冒頭のトレイルコースを外れてしばらく歩くと、中世山城によく見られるような地形が出現してきます。途中大きな岩が道を塞ぎ、ちょっとした岩場が出てきますが、その上に登ってみると、京都が一望できることから、このあたりも物見櫓的に利用されたのではないかと感じました。

嵐山城本丸へ向かう道は、途中で「嵐山」と書かれた本当に小さなプレートを頼りに進むことになるので、要注意。そのプレートの先に途中で「右折」できる箇所がありますので、そこを右に入ると二ノ丸的な役割を果たしたとされる郭跡が広がります。
ここに「嵐山城」のプレートが存在します。またここから京都の街並を見下ろせますが絶景。昼食などを考えている方にはオススメのスポットです。

本丸はさらに、さきほどの分かれ道を「左」へ。獣道を頼りに登っていけば「嵐山」のプレートがあり、ここが本丸で、標高381メートルの山頂になります。ここは木に覆われ、先ほどの二ノ丸に比べると現在の視界は良くはありません。

実はまだ他の郭に石垣も残されているそうですが、管理人はすっかり見落としてしまいましたが、土橋などの遺構を確認することができました。

猪が地面を掘り返したような跡も何箇所かあり、嵐山山頂付近は決してハイカーも多くありませんので、初めて山城に挑戦される方は、同行者を募った方がいいかもしれません。
京都、いや全国的に有名な観光地に存在する戦国時代の山城。城ファンの方には渡月橋以上に楽しめるスポットであることは間違いない場所です。

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嵐山と言えば京都でも有数の観光スポット。JRから嵐山城へ向かう際には、シンボル渡月橋も渡ります。時間があればゆっくりと散策したい街です。

所在地

京都府京都市西京区嵐山元禄山町

新宿駅からのルート(※料金や所要時間は目安です。)

【JR在来線】JR山手線 新宿駅~品川駅(乗換え) 料金 片道190円 所要時間 約20分ほど
【JR新幹線】新幹線のぞみ 品川駅~京都駅 料金 片道13,520円 所要時間 約2時間15分ほど
【JR在来線】山陰線 京都駅~嵯峨嵐山駅 料金 片道230円 所要時間 約17分ほど
【入館料】無料

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